PMP

PMPの学習方法、245時間勉強した私のおすすめ

PMPに挑戦し、3回目でやっと合格できたはずけいです。

PMPを受験する時に一番困るのが学習方法です。

試験問題は一切公開されないため、過去問というものがありません。

わたしは最終的に245時間勉強しましたが、不合格のたびに何を勉強すれば良いのかわからなくなっていました。

この記事は、過去の自分に勧めるという観点で、PMPの学習方法をまとめました。

PMPで何を学習しようか悩んでいる方の参考になると思いますし、すでに学習を進めている方にも新しい発見があるかもしれません。

ぜひ読んでいってください。

やり方は人それぞれでも、目指すゴールは1つ

PMPでは問題のパターンを覚えてテクニックで合格するというのは難しいと思います。

PMP試験はその人が「PMPとして合格水準にあるかどうか」をかなり正確に測ってきます。

本質的な理解と、高い解像度の知識が必要です。

学習では、すべての人にお勧めできる一つの方法というのは無く、何をどれくらいやるかは人それぞれです。

やり方は人それぞれでも、すべての人が目指すべきゴールは1つです。

それは「PMPだと名乗れるだけの実力をつけること」です。

自分に実力があるかどうかの目安は、問題集、模試などの点数で知ることができます。

わたしの個人的な感覚では、どの問題集、模試をやっても8割以上とれるなら合格水準です。

7割程度だと、合格ラインギリギリかラインの少し下なので、本番で合格できるかどうかは賭けになります。

この合格ラインの感覚は、自分が実際に問題をやって、不合格と合格を両方経験して感じたことです。

下記の合格体験記には3回の試験結果も載せてありますので、よかったら見てください。

短期戦略と長期戦略

学習の戦略としては、短期戦略と長期戦略があると思います。

短期戦略は、研修で一気に必要知識を習得し、その後1ヶ月か1ヶ月半くらいの短い期間で、実力を合格ラインまで押し上げ、研修の記憶が新鮮なうちに合格してしまうというやり方です。

長期戦略は、研修の後、2ヶ月間以上かけてじっくり実力をつけてから試験を受けるやり方です。

PMPでは試験を受ける前に、35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講が必要です。

以下に当てはまる方は短期戦略がおすすめかと思います。

  • 一気に勉強して短期間で試験に合格したい。
  • 休みの日などまとまった学習時間がとれる。
  • マネージャとしての経験が豊富で、学習したことを自分の業務に絡めて理解できる。

逆に以下の方には長期戦略がおすすめです。

  • 長期でも良いのでコツコツ継続して実力をつけたい。
  • 休みの日にまとまった学習時間は取りにくい。
  • マネージャとしての経験が浅く、学習したことをリアルにイメージするのが難しい。

わたしの場合は、長期戦略が当てはまります。

学習方法

先ほどお伝えしたとおり、何を学習するのが良いかは人それぞれです。

ここからは、「過去のわたしにすすめる」という前提で、具体的な学習方法を記載します。

研修を受ける

まずは35時間の公式研修についてです。

わたしが受講した研修はアイシンク株式会社の「PMP®試験対策講座」です。

過去の自分の場合、再検討して他に候補がなければ、同じでも良いと思います。

アイシンク株式会社の研修で良かった点は下記になります。

  • 質の高い研修(その分ハードです。)
  • PMP試験に関する最新の動向や、受験の際の心構えも教えてくれる。
  • 自習用の問題集がセットになっている。
  • プロジェクトマネジメント経験の申請サポートがある。
  • 試験に落ちた場合、半日の補講に参加できる。
  • 研修を受けて終わりでは無く、最後まで寄り添ってくれる。(質問への回答、励ましなど)

注意点としては、費用が高いことと、短期戦略推奨であるということです。

費用は27万5千円で、個人で負担するのは難しい金額です。

わたしの場合は、受験にかかる費用は会社が負担してくれたので、こちらの研修を受講できました。

短期戦略について強制されるわけではありませんが、講師の方からは、試験の申し込みだけは早めにするようにメールがきます。

また、同じクラスで研修を受けた方の合格が速報メールとして講師の方から連携されます。

みなさん短期で続々と合格していくので焦ってしまいますが、自分のペースで学習する必要があります。

テキストを読む

まずはテキストを読むということをやります。

わたしの場合だけかもしれませんが、テキストを読むだけだと、あまり頭に入ってきません。

テキストを読んで細かい部分まで覚えようとするのは効率の良いやり方ではないと思います。

きちんと読みつつも、あまり時間をかけすぎないようにします。

おすすめのテキストは下記になります。

アイシンク(研修)テキスト

アイシンクの研修で利用したテキストです。

試験に出やすいところを中心に強調されており比較的読みやすいです。

研修を思い出しながら、重要だが理解が浅いところなどは少し注意して読みます。

アジャイル実務ガイド

PMIが公開しているアジャイルに関する書籍です。

PMP試験におけるアジャイル比率は高く、試験で聞かれる内容が各所に記載されているため、一度読んでおくのがおすすめです。

2022年度の出題傾向として、開発手法別の出題割合は、予測型(ウォーターフォール)が50%、アジャイル/ハイブリッド型が50%です。

ハイブリッド型とは、予測型とアジャイルを組み合わせた開発手法のことです。

ただし、読んで覚えるというのはわたしには難しかったので、実際にどれだけ役に立っているかは未知数です。

PMI会員の方であれば、PMBOKとアジャイル実務ガイドは無料でダウンロードすることができます。

PMBOK第6版をダウンロードすると、一番後ろについています。

アジャイル実務ガイドを購入する場合、6,000円しますので、無料で入手できない場合はわざわざ買う必要はないかと思います。

市販のテキスト

テキストと呼べるものを持っていない場合は、市販のものを一冊購入して、一読しておくのがおすすめです。

紙の本があると、思い出したいところをパッとひらけますし、通勤時の学習にも利用できます。

また、模擬試験としても活用できます。

わたしの場合は2冊購入しました。

PMP完全攻略テキスト

重要事項が図を使ってわかりやすく解説されています。

言葉を覚えるのではなく、本質的な理解の助けになります。

過去の自分にはこちらをすすめます。

PMP試験合格虎の巻

プロジェクトマネジメントの知識エリアごとに章立てて記載されているので、どこに何が書いてあるのかがわかりやすいです。

アジャイルに関する記載もありますが、少なめです。

同じPMP試験に関するテキストでも、章立てや解説のにはかなり違いがあります。

迷う場合は、書店で実際に手に取って自分に合っているものを購入してください。

問題を解きながら知識を深める

次は問題を解きながら、知識を深めていきます。

ここが一番時間を使ってやる、大切なところです。

問題を解いて解説を読み、よくわかっていない部分があればPMBOKやネットで調べます。

表面的な理解ではなく、対象を具体的にイメージするということを意識して調べると良いです。

PMBOKは全部読むのは大変ですが、よくまとまっており、試験に出題されることが何気なく書いてあったりするので、問題とからめて関連箇所を読んでおくのがお勧めです。

同じ問題を繰り返しやるのは良いですが、答えを覚えて正解できるようになってもあまり意味はありません。

本番では、勉強の時にやった問題と同じ問題は出ないからです。

同じ問題を覚えるほどやるくらいなら、新しい問題をたくさんやるほうが良いと思います。

一つの事柄でも、いろいろな側面からライトを当てることによって解像度が上がります。

また、問題を一問あたり一分くらいで回答できるように練習しておきます。

最初のうちは時間を測って、一分で解く感覚を身につけておきましょう。

わたしがやった問題集についてもおすすめを紹介します。

アイシンク問題集

応用問題(375問)、模擬試験問題(140問)、高難易度問題(50問)があります。

特に模擬試験問題と高難易度問題は問題の雰囲気が本番試験にかなり近いと感じました。

わたしと同じ研修を受講した方の半数以上の方がこの問題集のみで合格しています。

ただし、わたしの場合はこの問題集のみで実力を合格圏内に持っていくことができず、プラスアルファの問題集が必要だと感じました。

プチまな

いろいろなテーマの問題を集めた問題集サイトです。

PMPの場合は基礎編(750問)、合格編(590問)があり、それぞれ月額500円で利用できます。

出題される問題については、正直、本番とは少し違うなという印象を受けます。

特に基礎編は「こんなこと聞かれないよ」というところまで問題になっています。

この問題集の利点は圧倒的な問題数の多さです。

領域ごとにかなり細かいところまで問題になっているので、わたしの場合は学習対象の解像度をあげるという意味でとても役に立ちました。

問題数が多いので全部やるのにかなり時間がかかりましたが、自分の基礎力を上げてくれたと感じています。

模擬試験を受ける

本番試験の前に一度は、模擬試験をやっておくのがおすすめです。

合格判定までやってくれる有料のサービスもありますが、「模擬試験」と銘打っていればどれでも大丈夫です。

先ほどご紹介した市販のテキスト(PMP完全攻略テキスト、PMP試験合格虎の巻)にもついています。

制限時間内でまとまった問題数を解いて、答え合わせをすることが大切です。

実際にやってみると、1問ずつ答えを見ている時とは感覚が全く変わり、いろいろな発見があります。

わたしの場合、採点してみると悩んで時間を使った問題よりも、ケアレスミスで落としている問題が多いことに気がつきました。

難問に時間をかけるよりも全問見直した方が良いということに気がつき、本番の作戦を立てることができました。

また、全問見直しする場合、現在のペースだと時間が足りなくなる為、時間がかかる問題にどの程度で見切りをつけるかの感覚もできました。

一度学習で使った模擬試験でも、答えを覚えていなければもう一度使っても大丈夫です。

関連書籍を読む

関連書籍を読んでおくのもおすすめです。

「難しい試験に挑戦しようとしているのに、本なんか読んでられないよ!」と思うかもしれませんが、急がば回れです。

テキストはなるべく短い文章で効率的に情報を伝えようとする分、ニュアンスが欠落します。

書籍は文字数は多いですが、そのものをよりリアルに知ることができ、理解する(腑に落ちる)学習の助けになります。

わたしが読んだのは以下3冊です。

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK

アジャイルサムライ――達人開発者への道

PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基

わたしの場合、アジャイルの本2冊(上の2冊)が特に役に立ちました。

わたしはアジャイルを仕事で使ったことがなく、勝手にイメージを膨らませていたのですが、よりリアルになり、誤解していた部分も修正できました。

アジャイルのイメージがわかないという方は「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」だけでも読んでみてください。

PMPの情報を集める

最後にもう一つやっておくことのおすすめとして、PMPの情報を集めるということがあります。

合格した人の体験談や、どういった問題が出るのか、おすすめの学習方法などをネットで検索してみることです。

PMPは問題が公開されていないため、イメージがしづらく、どこまで勉強すれば良いのかも不安になります。

実際に受験した人の話を聞いて、試験をイメージしたり、自分の学習方法をアップデートするのが良いと思います。

ひとつおすすめとして、イトーダさんという方のYouTubeチャンネルがあります。

PMP試験に役立つ動画を数多くアップされていますので、勉強の合間に気になったものをいくつか見てみると良いでしょう。

最後に

おすすめの学習方法を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

わたしは、2回も不合格になったので、他の人よりもたくさんの学習方法に手を出すことになってしまいました。

大変だったのですが、より知識が深まり業務の役にも立っていると感じているので、それはそれで良かったかなと思います。

この記事が、PMP試験に向けて頑張っている方、これから始めようとしている方の役に立てば嬉しいです。

ぜひ自分に最適な勉強方法を見つけてがんばってください。

以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。