情報処理技術者試験を20回以上受験し、高度試験6つを取得した「はずけい」です。
高度試験最大の難関は午後Ⅱ問題ですよね。
下記5つの試験が午後Ⅱで論述式(論文問題)を採用しています。
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
論文を制するものは高度試験を制すといっても過言ではありません。
私はシステムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ITストラテジスト試験に合格しました。
最初にシステムアーキテクト試験を受験した時は論文対策に非常に苦労しました。
ただ、一度書き方を覚えてしまえば、他の試験でも勉強方法や書き方が応用できるため、2回目以降の試験はグッと楽になります。
この記事では、私がいつもやっている論文問題の勉強方法と書き方のポイントについて解説します。
初めて論文試験に挑戦する方はもちろん、論文試験を経験済みのかたにも参考になる部分があるはずです。
ぜひ読んでいってください。
始めて受験する方は、論文対策の本を買うのがお勧め
論文試験を勉強したことがないという方は、論文対策の本を買うことをお勧めします。
私は、論文の書き方を独学で学びましたが、先日、始めて論文対策の本を買いました。
論文の書き方と、過去問に対する論文事例が紹介されていてとても役に立ったので、もっと早く買っておけばよかったと思いました。
私が本を買うのをお勧めするもう一つの理由は、論文の学習のやり方は皆同じではなく、人それぞれだと思うからです。
過去問の解答論文をひたすら書き写す勉強をやっている方もいますし、論文のネタとなるプロジェクトをあらかじめ空想で作っておくという方もいます。
論文問題に初めて挑戦する方は、色々なやり方を見て自分に合う勉強方法を見つけてください。
それでは私の勉強方法をご紹介します。
私の論文問題、学習方法
私がやっている論文問題の学習方法は「過去問を解く」という非常にシンプルなものです。
具体的にいうと、3年分が収録された過去問題集を買ってきてそれを頭からやっています。
論文試験は毎年、2問出題されどちらかつを選択する形式なので、1冊には6問が収録されています。
私は過去問を3周することを目標に勉強しているので、最大で18回論文を書くことになります。
次は、私が練習論文を書くときに気をつけているポイントについてお伝えします。
ネタを考える時のポイント3つ
どんな論文を書くか、ネタを考えるポイントについてお伝えします。
ネタはなくてもひねり出す
論文のお題に対して書くことが思いつかないことはよくあります。(というか初見ですぐに書く内容が浮かぶということはまれです)
しかしそれでも、なんとかひねり出して書くようにしています。
2周目、3周目で同じ問題を解く時は、前回までに使ったネタは使用禁止という自分ルールを設けています。
1回目ですらネタがないのに、3周目ともなると、もう何もないと困り果ててしまうこともあります。
ネタを探すだけで2時間以上かけたこともあります。
ただ不思議と、ネタが見つからずに書けなかったことは1度もありません。ひたすら考えれば何か出てきます。
実際の案件を元に考える
私が論文を書くときは実際に経験した案件をベースに書きます。(特定を避ける配慮はします)
事実のみ書くということではなく、問題で聞かれていることに答えるため、部分的に創作で補います。
実際にあった案件なので軸がしっかりしており、多少創作を加えてもリアリティが失われず、しっかりした論文に仕上がります。
全てを空想で書いても問題ありませんが、情景を細かくイメージできるくらい作り込まなければ、ボロが出て論理が崩壊すると思います。
私はシステムエンジニアとして14年働いています。
過去に経験した案件を思い出して、頭をフル回転させ、なんとかお題に沿った見方ができないかを考えます。
別の人の目線で考える
プロジェクトマネージャなんてやったことはないから論文は書けない、という方もいるかもしれません。
でもそんなことはありません。
私はプロジェクトマネージャーの経験もITストラテジストのような経験もありませんが、試験はどちらも合格しています。
自分はその役割をやったことがなくても、その役割をやっている人になったつもりで考えます。
「プロジェクトマネージャーの○○さんなら、どう考えるか」「企画のXXさんは確かこんなことをやっていた」というように考えを巡らせます。
論文を書くときのポイント3つ
実際に論文を書くときのポイントをご紹介します。
高度な回答は不要、聞かれていることには漏らさず答える
高度試験なので「他の人が感心するようなことを書かなければ」と思うかもしれませんが、それは間違いです。
「こんな事、当たり前だよな」と思っても、その当たり前を論述することが求められているのです。
例えば確認漏れが発生するという問題があれば、対応策としてはチェックリストを作成して運用する。
この程度でいいのです。
「実際の現場ではどうするだろうか」と、思い浮かべて書くのがお勧めです。
高度な回答を書くよりも、問題文で聞かれていることに漏れなく回答することの方が重要です。
問題文に「工夫したことを踏まえて」とあれば、論文内に「工夫したことは」という記載をしてそれに応えます。
素晴らしい論文でも、問題で問われている内容に答えていなければ減点され、不合格となる可能性があります。
3点構成を活用する
何かを論述するとき、ポイントを3点で書くというテクニックを私はよく使います。
その効果は以下3つです。
- 読み手が理解しやすくなる。
- 分けて書くことで文字数を稼ぎやすくなる。
- 3つと決め打ちすることで自分の論点を整理しやすくなる。
ちょうどこのような感じです。
ただし、多用すると何が言いたいのかぼやけてしまうので、一つの論文で使うのは2回くらいまでにした方が良です。
漢字は調べながら書く
論文を手書きするときに漢字が書けないということで悩んでいる方もいるかもしれません。
私の対策は、練習で論文を書く時、漢字を調べながら書くです。
対策というか、当たり前のことですよね。
ただ、これをきちんとやっておけば他の対策は不要です。
論文を書く場合、だいたい自分がよく使う漢字は決まっています。
何度も論文を書いて、その度に同じ漢字を調べていれば、利用頻度が多いものは自然と覚えて書けるようになります。
本番で忘れてしまった場合は、その漢字を使わない別の表現で書けばいいだけなので、神経質になる必要はありません。
本番試験までに時間配分を考えておく
ここまで、論文対策の勉強で何をやるかと、書き方のポイントについてお伝えしてきました。
最後にもう一つ、本番の試験に向けて準備する重要なことがあります。
それは、時間内で書けるようにしておくということです。
論文試験の試験時間は2時間です。
この時間内で論文を完成させなければ不合格となってしまいます。
あらかじめどのような時間配分で書くかを決め、その時間内で書けるように練習しておきましょう。
私は下記の時間配分を基本としています。
- ネタ、構成を考える:30分
- 設問ア:20分
- 設問イ:40分
- 設問ウ:30分
練習で論文を書くときは時間がかかっても気にしません。
練習なので、内容を充実させることの方が大切です。
初めて受験される方は、試験本番までに何回か時間を測って問題を解き、制限時間内に書き上げる練習をしておきましょう。
最後に
私の論文ノウハウを余すことなく書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか。
同じ問題で、ネタを変えて論文を書くという勉強(苦行)をしている方は少ないかと思います。
この練習はとても大変ですが、試験本番では絶大な効果を発揮します。
選択問題2つをみたときに、どちらか一方は一瞬でネタがひらめくようになります。
仮にひらめかなくても、慌てることはありません。
過去問全ての問題で論文を書いてきたのだから、必ず書けるはずだと安心した気持ちで受験できます。
私がプロジェクトマネージャに合格したときの論文へのリンク貼っておきます。
よかったら参考にしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。