こんにちは、はずけいです。
今回は私が37歳の時、2021年に挑戦し、一回目で合格を果たしたシステム監査技術者試験の合格体験記を皆さんと共有したいと思います。
システム監査技術者試験は、情報技術の分野での専門知識だけでなく、システム監査に関する深い理解と実践的なスキルが求められる難関試験です。
この試験に一発合格できたのは、私にとっても大きな自信と達成感につながりました。
この記事を通して、これからシステム監査技術者試験に挑む方々に、私の経験が少しでも参考になればと思います。
試験の準備方法から受験当日の心構え、さらには合格後の感想まで、私の体験を詳細にお伝えします。
それでは、はじめていきましょう。
受験の背景
私が次に目指したのは、システム監査技術者試験でした。
この試験を含め、高度情報処理技術者試験の中で未取得だったのは、エンベデッドシステムスペシャリストとITサービスマネージャの3つの資格でした。
私の会社では資格取得支援システムがあり、現在のわたしの取得状況だと残りの試験で報奨金がもらえるのはシステム監査技術者試験のみでした。
そのため、自然と次の目標はこの試験に決まりました。
私は情報処理技術者試験を全制覇するという大きな目標を掲げ、学習を継続してきました。
直近では、システムアーキテクト、データベーススペシャリスト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジストと、4つの資格を連続で取得することに成功し、2018年の秋からは受験した試験で一度も負けていませんでした。
これは、何年もの不合格を経験し、学習の習慣と高度情報処理試験の攻略法を身につけた結果でした。
しかし、この連続合格にはネガティブな側面もありました。
それは周囲の目です。「あいつは報奨金目当てで資格を取りまくっている資格ハンターだ」「いったいいくつ取るんだ」という声が聞こえてくるようでした。
実際に誰かに言われたわけではないのですが、私自身が周りからそう思われているのではないかと気になってしまいました。
しかし、私は周りの目を気にすることなく、自分の目標を追求し続けることを選びました。
「他人がどう思うかではなく、自分がどう思うかが大切だ」と自分に言い聞かせ、学習を続けました。
さらに、この試験にはもう一つの大きな不安要素がありました。
それは、子供が生まれたことによる育児の負担でした。
子供が生まれたことは私にとって計り知れない喜びでしたが、夜中に子供が泣いて起きるたびにおむつを変え、ミルクをあげる必要がありました。
これまでの私の勉強方法は、朝4時に自然と目覚め、その後1時間程度集中して学習するというものでしたが、これはもはや不可能になっていました。
準備と学習方法
学習時間について
私はこれまでと同様、朝の時間を学習に充てることにしました。
しかし、夜中に子供の世話で起きるため、決まった時間に起床するリズムを作ることは難しくなりました。
目標としては5時起床、毎日1時間の学習を設定しましたが、どうしても起きられない日は、たとえ15分だけでも机に向かうようにしました。
毎日学習することの重要性を、長年の勉強経験から理解していたからです。
学習期間は約3ヶ月で、合計85時間の学習時間を確保しました。
これはいつもより約10時間少ない時間でした。
今回はテキストを購入せず、過去問のみを使用しました。最終的に3年分の過去問題集を2周しました。
おすすめの過去問
午前2試験の対策
システム監査技術者試験の午前2試験では、「システム監査基準」「システム管理基準」「情報セキュリティ監査基準」といった政府機関が出している文章から多くの問題が出題されます。
これらの文章は分量が多く、短期間で覚えるのは困難です。私は過去問に出題された部分だけをブログに追記し、よく出題される部分だけをピックアップした自作のテキストを作成して対応しました。
わたしはこの方法を「宝探し学習法」と呼んでいます。
午後1試験の特徴と対策
午後1試験は他の試験と比較して難易度が高いと感じました。
問題文の中に答えがない場合もあり、その場合は一般論から答えを導き出す必要があります。
問題一つ一つの出題意図を読み取ることが重要だと感じました。
午後2試験の挑戦
午後2試験は論述式で、私はこれまでシステムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジストの論述式試験を一発で突破していました。
しかし、システム監査技術者試験の論述式試験は、私がこれまで経験してきた試験と比較して、明らかに難易度が一段階上でした。
自分が書きたいシステム監査の流れに対し、設問で求められる記載内容が大きく乖離しており、どのように論文を構成すれば良いかわからなくなりました。
まるで、一輪車に乗りながら絵を描けと言われている様に困難なことを2つ同時に求められている気分になりました。
私の対策としては、論文テキストを購入し、それをひたすら書き写す練習をしました。
過去問の学習を一時停止し、この作業に7時間程度を費やしました。
その後も論文作成に困ったときは、テキストの書き方を参考にしました。
テキストを書き写す練習をすることで、暗闇に一筋の光が見えたような気がしました。
私は時間をかけて、自分の経験を論文の設問に合致するように論文を作成する練習を行いました。
おすすめの論文テキスト
試験当日の経験
システム監査技術者試験の会場に足を踏み入れた瞬間、私はその空気の違いに衝撃を受けました。
これまで25回の情報処理技術者試験を経験してきた私ですが、この試験の受験者たちは明らかに試験慣れしている猛者たちでした。
彼らは皆、落ち着いており、緊張感は微塵も感じさせませんでした。
当日キャンセルによる空席もほとんどなく、受験者は早めに着席していました。
この様子からも、他の受験生がどれだけ試験に慣れているかがうかがえました。
試験がスタートし、午前2の試験では過去問で出題された部分は確実に解答しましたが、それ以外の部分では正解がわからず、勘に頼ることが多くありました。
この「勘」に頼った部分が不正解だった場合、午前2で足切りで不合格になる可能性もあると感じました。
午後1の試験も難易度が高く感じられました。
解答欄は埋めましたが、出題意図を理解できない問題もあり、これらは不正解の可能性が高いと感じました。
また、40文字や50文字といった長文での回答を求められる問題が複数出題され、練習時に字数を正確にカウントしていなかったため、本番では時間を取られ、見直しの時間もほとんど取れませんでした。
最後の午後2試験では、練習時に苦労していたにも関わらず、意外とスムーズに進みました。
RPAに関する問題が出題され、私の業務経験とリンクしたことから、論文の構成を早めに作成することができました。
設問も解答しやすい内容で、練習で作成した過去問よりも取り組みやすかったです。
全体として、午前2と午後1には若干の不安が残りましたが、午後2は問題ないと感じました。
合格の可能性は五分五分だと思いましたが、試験で自分の実力を出し切ることができたため、満足感を持って帰宅しました。
合格の瞬間
合格発表の日、私は「運が良ければ合格しているかもしれない」という淡い期待を胸に、Webサイトで結果を確認しました。
そして、そこには信じられないことに、私の名前が合格者リストに載っていました。
点数はギリギリの合格で、まさに驚きと喜びが入り混じった瞬間でした。
飛び上がるほどの喜びを感じつつも、心のどこかで「え、本当にいいの?」という思いがありました。
かつて高度情報処理試験に何度も落ち続け、苦労していた頃とは打って変わっての連続合格。
会社からは毎年、多額の報奨金をいただいており、その順調さには少し後ろめたさを感じていました。
非常に難易度の高いシステム監査技術者試験を一発で合格したことには、運が良かったと思う気持ちがあります。
しかし、同時に、勉強不足のまま合格してしまったという、ほんの少しの後ろめたさも感じていました。
それでも、この合格は私の長年の努力の結果であり、その達成感は計り知れないものがありました。
アドバイスと推奨
システム監査技術者試験は、他の高度情報処理技術者試験と比較しても、その難易度の高さが際立っています。
特に、午後2の論述式試験は、他の試験と比べても最も難しい部類に入ると言っても過言ではありません。
受験を考えている方は、この点を十分に理解し、準備して臨むことが重要です。
システム監査に関わる仕事をしている方や、これからシステム監査の分野で活躍したいと考えている方にとって、この試験は非常に価値があります。
システム監査について体系的に学べる機会は多くありませんが、この試験はまさにそのような知識とスキルを身につけるための絶好のチャンスです。
試験の難易度は高いですが、それだけに合格した際の達成感も大きいでしょう。
自分のキャリアに新たな一歩を踏み出すための挑戦として、ぜひこの試験に挑戦してみてください。
最後に
システム監査技術者試験の合格は、難易度の高さゆえに特別な達成感をもたらします。
私の経験が皆さんの参考になれば幸いです。
挑戦は大変ですが、その努力は必ず報われます。皆さんもこのチャレンジにぜひ挑んでみてください。
成功を心から応援しています。頑張ってください!