わたしと情報処理

【2023春SM】ITサービスマネージャ試験合格体験記:学習時間や学習方法など

はじめまして、私の名前は「はずけい」です。システムエンジニア15年目で、新卒の時から情報処理技術者試験を受験し続けています。今までに合格した試験は、基本情報処理技術者、応用情報処理技術者、データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、セキュリティスペシャリスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト、システム監査技術者です。

そしてこの度、27回目の試験でITサービスマネージャ試験にも合格することができました。(一発合格できました。)

今回は私の学習時間や学習方法についてお伝えします。この記事が皆さんの学習の一助となれば幸いです。

ITサービスマネージャ試験とは

ITサービスマネージャ試験は、顧客ニーズを踏まえ、日々の継続的改善を通じて安全性と信頼性の高いITサービスを提供し、IT投資効果を最大化するITサービスマネージャのための試験です。IPA公式サイトでは「ITサービスの安定提供を約束する仕事人」と表現されています。

情報処理技術者試験のレベル4、高度情報処理技術者試験の一つです。

出典:「IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)試験区分一覧」より

学習の戦略

まずは私の学習の実績、戦略についてお伝えします。

学習時間

学習は2023年1月30日からスタートしたので学習期間は3ヶ月弱です。学習時間は合計で56時間でした。学習時間の内訳は下記の通りです。

  • ITILの本を読む:3時間
  • 午前2過去問:10時間
  • 午後1過去問:12.5時間
  • 午後2過去問:30.5時間

2022年にも受験しようと74時間勉強したのですが、このときは所用のため受験しませんでした。そのためITサービスマネージャの合計学習時間は128時間となります。

学習は毎朝早起きして1時間を目標に行いました。

詳細な学習時間はこちらにメモしています。https://hazukei.com/zakki/2743/

使用した教材

ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ

ITサービスマネージャ試験で重要となる知識としてITILがあります。「ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ」はITILが実例を使ってわかりやすく解説されているので本当にお勧めです。

あまりにいい本だったので一冊後輩にプレゼントしました。

ITIL (Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群です。また、ISO/IEC 20000のベースになっています。最新バージョンは、ITIL 2011です。

過去問題集

お決まりの過去問題集です。これがないと始まりません。

学習の内容

ITILの本を読んだあとは、ひたすら過去問に取り組みました。

午前1は免除だったので、それ以外の午前2、午後1、午後2の問題を順番に全問解きました。最終的に3年分収録されている過去問題集を2周しました。

午前2

問題を1ページずつ解いて解説を読んで理解するということをやりました。

わからないことは腑に落ちるまで調べて、アウトプットしました。私の場合はブログ記事をノートがわりにまとめました。実際のブログ記事:https://hazukei.com/2700/

ITサービスマネージャの午前2試験で抑えるべきポイントは、ITILとJIS Q 20000です。

JIS Q 20000はJIS Q 20000-1(サービスマネジメントシステム要求事項)とJIS Q 20000-2(サービスマネジメントシステムの適用の手引き)の2部で構成されています。

ITILを元にITサービスマネジメントの国際規格であるISO/IEC20000が作成され、ISO/IEC20000を日本のJIS規格化したものがJIS Q 20000となりますので、ITILとJIS Q 20000は本質的には同じということになります。

今回苦労したのが、JIS Q 20000はJIS Q 20000-1が2020年にバージョンアップされたのですが、使っている過去問題集の3年分のうち2年分(平成29年、平成30年)はバージョンアップ前の2012年バージョンを元に問題が作られていたことです。

新しいバージョンではかなり記載内容が変わっていて、JIS Q 20000-1の学習に不安があったため、IPA公式ページの令和3年の午前2問題だけ別途やりました。

午後1

午後1は毎日1問を目標に問題を解きました。

問題を解いているときは、気になってもすぐに答えを見ないようにして、1問解き終えるようにしました。自分で解いた午後1問題の平均点は69点です。

ITサービスマネージャの午後1は比較的理解しやすく、素直な内容だと感じました。注意点としては回答の文字数が35文字、40文字など比較的長文回答を求められるものが多いです。勉強中も制限文字数できちんと回答ができるよう意識して練習しました。

午後2

午後2は論文試験です。過去問の論文問題を順番に解きました。

論文は自分が関わったプロジェクトを元に一部を膨らませたり、見方を変えたり、一部創作したりして書きました。

同じ問題で2回以上論文を書く際、以前書いた論文とネタが被らないように書くという縛りルールで鍛えるようにしています。いつもはネタが尽きて困ってしまうのですが、私が過去に従事したプロジェクトはITサービス系のものが非常に多かったので今回はいつもに比べネタに困ることはあまりありませんでした。

論文は1日目:ネタを考える+設問ア、2日目:設問イ、3日目:設問ウくらいの感覚で数日に分けて書きました。ポイントはネタを考えた時にきちんとメモしておくことです。メモが適当だと、設問イ、ウで何を書こうとしていたか忘れて書けなくなってしまいます。

自分の書いた論文のネタをこちらにメモしています。(https://hazukei.com/2781/)ブログに載せるためにぼかしまくっているのであまり参考にはならないかもしれませんが。。

今回書いた論文はこれくらいの厚さになりました。

試験当日

試験当日も今までと同じように朝、勉強して出かけました。

午前1免除なので時間は比較的余裕があります。電車の中で自分のブログノートを一読したあとは、休憩時間も含め勉強はせず、頭を休めることに注力しました。

情報勝利技術者試験を受けるのもこれで27回目、もう全く緊張することは分かりません。試験管の方がいつ何をしゃべるのかもわかっています。リラックスしていつも通り全力で試験に取り組めました。

午前2は、自信を持って回答できる問題が多く、これは大丈夫だろうと思いました。

午後1は、問1と問3を選択しました。設問アはAIに関する問題、設問ウはDXに関する問題でなんとなく面白そうだという理由で選択しました。

午後1の問題選択は結局最後まで解いてみないと難易度がわからないので、いつも適当に選ぶようにしています。今回も1分くらいで決めて問題に取り組みました。

難易度は過去問と同程度だと感じました。回答内容が自分でも怪しいなと思う問題もいくつかありましたが、一応全部埋められたのでこれはいけたかな?と思いました。

午後2は問2を選択しました。問1がSLAの合意の問題、問2がリリースに関する問題です。私はSLAの合意に関する業務は全くやったことがなかったので必然的に問2を選ぶことになりました。

設問はリリースで特定したリスクとその対応について論述させる問題でしたが、普段からリリースはやっているので論文のネタもすぐに思いつきました。

リリース時のリスクとして、関連する複数のシステムが多いため手順やタイミングを適切に管理する必要がある事をリスクとして特定し、リリース計画書、手順書の適切な記載や読み合わせを対応策として論文を構成しました。

過去問と同じく設問は素直で書きやすい内容でした。

なるべく時間は前倒しで進めたかったので構成をざっと考えたあとは、急いで論文を書いたのですが、設問イを書き終えるあたりでこれはかなり時間が余りそうだと感じました。一方で、論文の方は文字数が比較的ギリギリで、内容も少し薄っぺらいかもと思いました。

さすがに全部消して書き直すのは時間が足りないので、一部の文言を変更したり、最後に蛇足で付け足しをしてみました。

設問ウは時間をかけてゆっくり書いたつもりですがそれでも10分くらい時間が余りました。

論文の出来は自分としては納得のいくものではなく、もしかするとレベルが低いという理由で落とされるかもと感じました。ただし、設問で聞かれれていることには明確に答えるということには確実に答えるという部分は細心の注意を払ったので、一応、最低限の基準は満たしていると思いました。

試験結果

合格発表の直前まではITサービスマネージャ試験のことは忘れて過ごしました。朝の勉強していた時間は勉強の代わりにブログを書くことに注力しました。

そしていよいよ合格発表の日、午後の昼休みの時間に合格発表を見に行きました。

試験を受けるときは全く緊張しませんが、この合格発表を見るときだけはものすごく緊張します。

今回もドキドキしながらIPAのサイトを見に行きました。今回から受験の際に登録したマイページで合否が確認できるようです。

マイページを開くと合格情報のところに「ITサービスマネージャ」の記載があって、「なんだこれネタバレか?」と思いました。

合格かもと思いながらも、急いで点数照会のページを探しました。「合格」の文字と点数を見るまでは安心できません。

試験結果のページを見ると合格でした。これでやっと一安心です。

午前2の点数は高くて良かったのですが、午後1の得点はギリギリです。危なかったなーと思いつつも、合格の喜びを噛み締めました。

最後に試験に対する感想

ITサービスマネージャを受験して一番に感じたことは「もっと早くに受験しておけば良かった」ということです。

他の試験に比べて私の業務に直結する内容でした。

ITILの体系的な知識はもっと早く身につけておくべきだと感じましたし、論文を書く際は自分の業務をあらためて見直す良い機会となりました。(ただし、論文を書いている時に仕事の方が気になってしまうという弊害はありました。)

ITサービスマネージャはクセが少なく、比較的取り組みやすかったです。派手さはないものの、ちゃんと難しくて自分の実力を引き上げてくれるいい試験でした。この試験のイメージを一言で表すなら「質実剛健」です。

運用や維持保守系業務をやっている方にはおすすめの試験です。この記事が皆さんの役に立てば嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。